お知らせ
令和4年度京都市芸術文化協会賞および京都市芸術文化協会新人賞受賞
2022年07月10日(日)
公益財団法人京都市芸術文化協会では、令和4年度京都市芸術文化協会賞及び新人賞の受賞者を下記のとおり決定し、表彰式を行いました。
令和4年度京都市芸術文化協会賞受賞者(3名)
桑原 仙溪(くわはらせんけい)〔華道〕
今井 眞正(いまいまきまさ)〔工芸〕
松尾 惠 (まつおまぐみ)〔芸術企画・芸術文化評論一般〕
参考
京都市芸術文化協会賞の概要
原則として公益財団法人京都市芸術文化協会に所属する会員を対象に、近年の芸術文化活動が特に顕著な者、芸術文化の向上に多大の功労があったと認められる者を表彰している。
令和4年度京都市芸術文化協会新人賞受賞者(1名)
真神 啓仁(まがみけいにん)〔茶道〕
参考
京都市芸術文化協会新人賞の概要
原則として公益財団法人京都市芸術文化協会に所属する会員を対象に、新進で活発な芸術文化活動が認められる者、今後の芸術文化活動においてさらにその活躍が期待される者を表彰している。
受賞者略歴・業績(2022年時点)
桑原仙溪
大阪府出身
【主な経歴】1984年 同志社大学工学部卒業
1981年 桑原専慶流入門
2004年 桑原専慶流 15世家元襲名
2016年 京都いけばな協会 会長就任
【代表作等】1998年 「芸術祭典・京」出品作 アナナスボール
2009年 「日本いけばな芸術展」出品作 松一色立花
2022年 「桑原専慶流いけばな展」出品作 桜一色立花
京都いけばな協会の会長を2期6年務め、その間運営委員長として京都市と共催の「華道京展」を開催してきた。昨年はコロナ禍で屋内イベントが中止になるなか、「華道京展・特別企画」として二条城で野外いけばな展を開催し好評を博した。また、6月6日の「いけばなの日」に合わせて開催される、(公財)京都市芸術文化協会主催の「いけばなプレゼンテーション」展の実行委員長として、展示や対談、体験を通じ、いけばなの魅力を伝えた。若い世代の出品者による「新世代いけばな展」、市内の公立中学校における華道の特別授業「伝統文化体験事業・華道」、京都市・京都市芸術文化協会主催の「ようこそアーティスト」など伝統文化の継承に尽力している。
(公財)日本いけばな芸術協会の理事として関西のみならず、全国各地で活動するとともに、桑原専慶流の15世家元として華道の研鑽と普及に努めている。コロナ禍の影響もあったが,年間を通じて伝統文化である華道を広めるとともに、多くの人に楽しんでいただくために、京都華道界の中心的な存在として幅広く活躍している。
今井眞正
京都府出身
【主な経歴】1986年 東京藝術大学美術学部彫刻科卒業
1988年 東京藝術大学大学院修了 同大学非常勤講師
1994年 広島市立大学芸術学部 非常勤講師 現在に至る
2012年 京都工芸美術作家協会 理事
2014年 京都工芸美術作家協会 副理事長 現在に至る
【主な受賞歴】1986年 久米桂一朗賞
1995年 花の陶展 新人賞
1996年 花の陶展 奨励賞
2002年 京都市芸術新人賞
東京藝術大学で彫刻・造形の基礎を学び、表現的には具象的ではあるが、感覚には抽象の意識を強く持っている。その独特な展開は、日本における“かたち”の探求成果を見いだしたと考えられる。抽象的な表象のなかに、工芸としての“円”を備えており、意識と円との融合に着々と足元を固め、今後の工芸の方向性を明示している。京都で培われた装飾的な華燭を現代的な感覚で展開しているのも今後の楽しみである。
また、主に発表活動を個展など個人的な活動を基本として、日本の主たる工芸団体には所属していない自由な発表の場を自ら作り出し、精力的な拡がりを見せている。国内での発表はもとより、海外への日本の今の工芸の有りようを広めるべく、海外展を精力的に展開している。今後の日本の工芸の指導者として引率する人物である。
松尾 惠
兵庫県出身
【主な経歴】1980年 京都市立芸術大学美術学部工芸科卒業
1986年 画廊「ヴォイスギャラリー」開設
1990年 「芸術祭典・京」実行委員会参加 ~2000年
1999年 京都芸術センター 企画委員 ~2003年
2000年 公益財団法人京都市芸術文化協会 会員 ~現在(芸術文化会議委員、企画・交流委員、理事)
2005年 金沢市民芸術村アート工房アドバイザー ~2008年
2007年 公益財団法人京釜文化振興財団 評議員 ~現在
2013年 きょうと障害者文化芸術推進機構 アドバイザー
2015年 京都市美術館評議員会「将来構想検討委員会」委員
京都国際現代芸術祭PARASOPHIA プロフェッショナリー・アドバイザリー・ボード
【代表的な企画等】1995年 「芸術祭典・京」造形部門~小鳥は大空を想像する~(元龍池小学校)
1999年 「芸術祭典・京」造形部門~SKIN DIVE~(元龍池小学校)
2000年 京都芸術センター 開館記念展「鈴鹿芳康展,高谷史郎展」他
2010年~2016年 アートフェア超京都
(杉本家住宅、渉成園、KYOMO、ニッシャ印刷歴史館、京都文化博物館他)
2017年 超京都企画展「光の現代美@旧三井家下鴨別邸」
2018年 京都駅東南部エリア活性化機運醸成プログラム
超京都企画「ひかりの広場」
京都市立芸術大学で染織を学び、作家活動の後、1986年にヴォイスギャラリーを立ち上げ、若い作家たちと共に京都のアートシーンを広げてきている。そして、1990年の芸術祭典・京の企画協力に始まり、京都市四条ギャラリーの企画、1999年からの京都芸術センター設立の準備委員会など、数多くの市の文化行政に関わってきた。2000年には京都市芸術文化協会会員となり、理事として協会運営に積極的に関わっている。具体的には、京都芸術センター開館記念展、京都ビエンナーレプログラムディレクター等。
その他京都市国際化推進プラン点検委員会委員、京都市美術館評議員会「将来構想検討委員会」委員を務めるなど、広範囲に渡って京都の文化のために活動されている。その視点は、美術だけでなく、パフォーマンスアート分野にも及び、幅広くその未来を見据えていて、美術界においては貴重な存在である。
真神啓仁
京都府出身
【主な経歴】2004年 臨済宗建仁寺派 正伝永源院 副住職
臨済宗建仁寺派 高台寺 庶務・広報執事(茶会担当含む)
2014年 武家茶道有楽流研究団体「正伝会」創設 会長~現在
2017年 臨済宗大本山建仁寺・法務部部長(法要茶道関係など担当)
武家諸流派との交流茶会 ~以後毎年開催
2022年 正伝永源院 住職・有楽流家元後嗣準備
織田有楽斎没後400年記念 茶会開催
寺院特別イベントにて茶席設置
臨済宗 大本山建仁寺の塔頭 正伝永源院で生まれ、花園大学卒業後、臨済宗建仁寺派専門道場(僧堂)にて修行した。武家茶道「有楽流」の継承、興隆、発展、護持を主として多くの方に知って頂くことの必要性の思いがあり、有楽斎の茶の精神かつ教えを伝えようと2014年に武家茶道有楽流研究団体「正伝会」を創設した。茶道の根幹である禅の教えの中で培われた茶道を通して作法、流儀だけでなく、茶道を通して互いの心を深め、高めていくことを基本理念とした「武家茶道」を社会に、生活文化として生かすことを積極的に取り組んできた。
武家諸流派との交流茶会をはじめ、一般向けのお茶席体験を積極的に開催するなど、武家茶道の継承・発展に力を注ぎ、人材育成の拡大にも尽力している。今年正伝永源院住職及び有楽流家元後嗣の準備も進めていて、今後ますます茶道への貢献が期待できる。